デイリーコモディティ市況コメント

強気の米経済指標を嫌気して、WTI原油は反落

07:34:53

14日のWTI原油は反落。取引中心限月である期近7月限の清算値は前日比0.95ドル安の77.65ドル。
4月の米卸売物価指数(PPI)は前月比で0.5%増、エネルギーと食品を除くコア指数でも同0.5%増となり、いずれも事前予想を上回る強い内容となった。米国でのインフレ圧力が高まる中、エネルギー需要に対する先行き不透明からWTI原油は下げを強いられることに。
米国取引時間帯にWTI原油期近7月限は77.26ドルまで一時急落。前日の安値である77.35ドルを下回ったものの、77ドル台を維持したこともあり、その後は77ドル台半ばで推移していた。
欧州取引時間帯にOPECの5月の月報が示されたが、世界の2024年の石油需要は据え置かれており、市場の反応は極めて限定的。
日本時間15日朝5時半に米石油協会(API)が明らかにした週間石油在庫統計で、原油在庫は310.4万バレル減、ガソリン在庫は126.9万バレル減、中間留分在庫は34.9万バレル増、認証在庫であるクッシング在庫は60.1万バレル減。この発表を受け、WTI原油期近7月限は78ドル台まで買い戻しされる動きをみせた。原油在庫が予想以上に減少していたためとみられる。
市場では15日発表の米消費者物価指数(CPI)とその後発表される米エネルギー情報局(EIA)による週間石油在庫統計に注目している。米CPIで改めてインフレ圧力が確認されれば、WTI原油期近7月限で77ドル割れも想定されるが、強気の在庫統計となれば、買い戻されることも想定される。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)

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