デイリーコモディティ市況コメント

NY金は急反発、安全資産としての買い活発化

08:42:35

11日のNY金は急反発。取引中心限月である期近6月限の清算値は前日比24.3ドル高の2372.3ドル。2営業日振りに清算値ベースの最高値を更新している。
注目の3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%増(事前予想は0.3%増)、前年同月比2.1%増(同2.2%増)、エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.2%増(同0.2%増)、前年同月比2.4%増(同2.3%増)。コア指数は前年同月比で前月の2.0%増、そして事前予想を上回ったが、前月比では前月発表の0.3%増を下回ったこともあり、米長期金利がやや低下する動きをみせた。
前日の米消費者物価指数(CPI)同様、強気の内容が期待されていただけに、やや期待外れの結果を受け、2350ドル割れをみせていたNY金期近6月限は2360ドル台まで急伸。
ただ、米PPI発表後に低下していた米長期金利が再び上昇すると、NY金は2350ドル割れまで値を消すことに。
本日は米連邦準備制度理事会(FRB)高官の利下げ後退観測となる発言が相次いだ。
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、最新の物価に関する米経済指標で、FRBが期待する継続的なインフレ鈍化には到達していないと言及。
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、近い将来、金融政策を調整する必要はないと指摘。
また、米ボストン連銀のコリンズ総裁は、年内の利下げ回数は縮小する可能性を述べた。
しかしながら、NY金市場では早くとも7月には利下げが開始されるとの思惑が台頭。6月にも欧州中央銀行(ECB)が利下げを開始すると受け取れることを示唆したこともあり、それに合わせたFRBによる早期利下げが期待されることになったとみられる。
清算値決定後にNY金期近6月限は2390ドル台まで急伸し、ほぼ高値水準で取引を終えた。イランによるイスラエルに対する報復攻撃が近いとみられることもあり、安全資産としての買いが活発化した結果とみられる。
欧米各国はイランに対してイスラエルへの報復を見送る説得を続けているが、イランのアブドラヒアン外相は正当な自己防衛に対する報復は必要と言及している。ただ、一部のイラン紙では、一連の説得によってイスラエルへの報復攻撃を延期したとも伝えている。
ここ最近、米長期金利の上昇を無視する格好でNY金は急伸しており、引き続き、安全資産としてのヘッジの場として金が注目され続けそうで、2400ドルも時間の問題か。
NY銀は続伸。期近5月限の清算値は前日比0.198ドル高の28.250ドル。これで11営業日連続の上昇を記録している。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)


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