デイリーコモディティ市況コメント

WTI原油は大幅続伸し、5か月振りの高値へ

2日のWTI原油は大幅続伸。取引中心限月である期近5月限の清算値は前日比1.44ドル高の85.15ドル。
ウクライナによるロシアの石油関連施設への新たなドローン攻撃と中東情勢の一段の緊迫化を背景にしてWTI原油は大きく買い進まれ、昨年10月下旬以来の高値水準まで急伸している。
欧州取引時間帯の序盤にWTI原油期近5月限は85.46ドルの高値を付けた。これは、イランによるイスラエルへの報復示唆で、中東情勢の緊張が高まる中、ウクライナによるロシアの石油関連施設へのドローン攻撃が明らかになったためである。
ロシア西部に位置し、ロシアで3番目に大きい製油所が攻撃を受けたという。日量ベースで34万バレルの供給の約半分がダメージを受けたとされる。また、この攻撃によって、ロシアの一部のガス処理施設が3月30日に修理のため、稼働を停止しており、その結果、製油所の一部の石油供給も停止していることが明らかになった。
ロシアの石油供給不安もあって、大きく急伸したWTI原油だったが、連日の急騰に対する高値警戒もあり、その後、85ドル割れを演じた。
強気の米経済指標を受けた米長期金利の上昇を受け、WTI原油期近5月限は84.15ドルまで軟化したが、その後、中東情勢を手掛かりにした買いが再燃し、清算値決定後にかけて85ドル台を回復。
日本時間3日朝5時半に米石油協会(API)が発表した週間石油在庫統計で、原油在庫は228.6万バレル減、ガソリン在庫は141.6万バレル減、中間留分在庫は254.8万バレル減。これを受け、WTI原油は取引終了にかけ、85.50ドルの高値を付けた。米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計でも、強い内容が期待されるだめに、WTI原油は86ドルを意識した展開も予想される。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)


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