デイリーコモディティ市況コメント

WTI原油は続落、ハリケーンリスク後退で

07:35:50

9日のWTI原油は続落。取引中心限月である期近8月限の清算値は前日比0.92ドル安の81.41ドル。
週明けの軟調地合いを継続する格好で下値を試す展開をみせ、米国取引時間帯に一段安を演じた。WTI原油期近8月限は一時81.25ドルまで急落するなど、前週末の高値から2ドル以上も値を崩している。
ハリケーン「ベリル」による石油関連施設への被害発生の報告が入っていないことが引き続き、圧迫要因となっていた。
ただ、一部の製油所で減産を強いられるとの情報もある。米最大級の製油所であるマラソン・ペトロリアム製油所の調査報告待ちながら、市場では被害があっても極めて最小限とみている模様。
日本時間10日朝5時半に米石油協会(API)が明らかにした週間石油在庫統計で、原油在庫は190万バレル減、ガソリン在庫は300万バレル減、中間留分在庫は230万バレル増、認証在庫であるクッシング在庫は120万バレル減。この発表を受け、WTI原油期近8月限は下げ幅を縮小し、0.52ドル安の81.81ドルで取引を終えている。
WTI原油期近8月限のチャートをみると、崩れた形であり、目先は20日移動平均線のある80.77ドル、つまり81ドル割れも想定される。
今年もハリケーンリスクで買われ、その後、知ったらしまいの展開が想定されるだけに、今後のハリケーン発生には要注意。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)

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