デイリーコモディティ市況コメント

テクニカルな買いにWTI原油は反発

07:35:00

8日のWTI原油は反発。取引中心限月である期近6月限の清算値は前日比0.61ドル高の78.99ドル。
欧州取引時間帯序盤にWTI原油期近6月限はテクニカルな売りを浴びて76.89ドルまで急落した。前日の安値である77.55ドルを割り込んだことでストップロスの売りがヒットし、一気に77ドル割れをみせた。しかし、77ドル割れは瞬間的にとどまり、値ごろ買いも台頭。米国取引時間帯序盤には78ドル台に回復。
注目の米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計で、原油在庫は136.2万バレル減、ガソリン在庫は91.5万バレル増、中間留分在庫は56.0万バレル増。クッシング在庫が188.0万バレル増となり、低調なガソリン需要とガソリン在庫の増加傾向が続くなど、必ずしも強い発表ではなかった。しかしながら、発表後に79ドル台まで上伸するなど、強引に買い進まれる展開となった。結果的に79.22ドルで取引を終了している。
WTI原油期近6月限は4月12日の高値である86.97ドルから10ドル近くも急落したことで、ポジション調整からの買いにつながったとみられる。戻り局面では、イスラエルによるガザ地区南部での地上侵攻を警戒する向きも支援材料となっていた。
5月2日の高値である79.90ドルが目先の戻り目標と考えられるが、ファンダメンタルズ面の悪化から80ドルはかなり大きな壁とみられる。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)

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