デイリーコモディティ市況コメント

ドル安を受け、WTI原油は続伸

07:26:10

9日のWTI原油は続伸。取引中心限月である期近6月限の清算値は前日比0.27ドル高の79.26ドル。
4月の中国の貿易収支が明らかにされ、4月の中国の原油輸入量は前年比5.45%増。貿易統計での輸出や輸入も強い数字となったことで、中国の景気に対する楽観ムードが広がり、アジア取引時間帯からWTI原油は79ドル台半ばまで上伸。欧州取引時間帯終盤に79.80ドルの高値を付けた。
その後、弱気な米新規失業保険申請件数が明らかにされると、米国での石油需要の伸び悩みが懸念され、前日発表された米エネルギー情報局(EIA)の弱気な週間石油在庫統計が改めて認識され、79ドル割れまで値を崩す場面を何度かみせた。
ただし、ドル安進行とイスラエルによるガザ地区南部ラファへの大規模攻撃のリスクが警戒され、取引終了にかけて大きく買い直され、79.50ドル台まで上伸している。
WTI原油期近6月限のチャートをみると、80ドル台回復も十分予想される。来週から期近7月限が取引中心限月となるが、その期近7月限は期近6月限よりも50セント前後、下ザヤだけに、期近7月限が80ドルを試すことになれば、上昇余地は拡大することになる。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)

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