デイリーコモディティ市況コメント

ドル安を背景にしてNY金は急反発

6日のNY金は急反発。取引中心限月である期近6月限の清算値は前週末比22.6ドル高(3営業日合計で20.2ドル高)の2331.2ドル。
前週末に発表された弱気な米雇用統計が再認識され、週明けに米長期金利が低下し、ドル安・ユーロ高が進行。年2回の米利下げ観測の高まりもあり、NY金は大きく買い直されることになった。
週明けのNY金期近6月限は2300ドルの大台を維持したこともあり、テクニカルな買いに一時2340ドル台まで急伸したが、2340ドル台では利益確定売りも台頭し、2320ドル台まで売り直される場面もあった。その後は買い戻され、2330ドル台で取引を終えている。
今週、重要な米経済指標の発表がないこともあり、インフレ圧力懸念の後退も短期的な買いにつながったともみられる。
3日に発表された4月の米雇用統計で、非農業部門の就業者数は17.5万人増(事前予想は24.3万人増)、失業率は3.9%(同3.8%)、平均時給は前月比0.2%増(同0.3%増)、前年同月比3.9%増(同4.0%増)。
明らかに弱い内容だったこともあり、米長期金利が急低下し、NY金は対照的に上伸し、一時2330.7ドルまで買い進まれた。しかし、2330ドル台回復は瞬間的にとどまり、米雇用統計発表後の一時間後には2285.2ドルの安値まで急落し、ここ最近の安値を更新した。
今回の弱気な米雇用統計だけでは、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測後退を覆すことは厳しいとの見方が台頭し、NY金の戻りは格好の売り場提供となってしまった。結果的に2310ドル台で一週間の取引を終えた。
ちなみに、週末時点のCMEのフェドウォッチで、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は前日の62%から68%に上昇し、年内2回の利下げの確率は51%から61%に上昇している。
米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、4月の米雇用統計を受け、金融当局者がインフレの鈍化を確信する可能性があると言及。
NY金期近6月限の一代足のチャートでは、40日移動平均線がひとまず下値支持となっている。
NY銀は急反発。期近7月限の清算値は前日比0.924ドル高(同0.866ドル安)の27.614ドル。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)

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