デイリーコモディティ市況コメント

ドル安・ユーロ高を映してNY金は続伸

08:26:37

29日のNY金は続伸。取引中心限月である期近6月限の清算値は前日比10.5ドル高(2日分合計で15.2ドル高)の2357.7ドル。
今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が控え、週末には米雇用統計の発表もあるなど、イベントが目白押し。このため、中東情勢の動きよりも、NY金市場ではそのイベント待ちのムードが支配的だったといえる。
イスラエルによるガザ地区南部ラファへの地上侵攻のリスクはここにきて後退している。イスラエルは代表団をエジプトに派遣しており、一時的な停戦に対する期待も高まっており、地政学リスクが縮小する中、有事の金買いの動きも鈍化し、利益確定売りを誘う展開もみられたという。
一方、本日はユーロに対してドル安が進行。ユーロ圏の国債利回りは低下する中、今週実施される米FOMCで政策金利の据え置きが予想されていることもあり、ドル高が一巡し、ドル安の局面にNY金が敏感に反応することになった。米国取引時間帯に2358.9ドルの高値示現も、2360ドルが大きな壁に。その後は米FOMCを前にした利益確定売りも出て、2340ドル台に値を消している。
目先の米FOMCを意識して、短期スタンスの仕掛けが中心になりそう。
NY金期近6月限のチャートをみると、取引水準切り上げの動きは一巡し、目先の戻り一服の様相をみせている。引き続き、20日移動平均線が上値抵抗となっている。
ちなみに、26日のNY金は小幅続伸。取引中心限月である期近6月限の清算値は前日比4.7ドル高の2347.2ドル。注目の3月の米個人消費支出(PCE)は前月比で0.3%上昇(前月発表0.3%上昇)、前月同月比2.7%(同2.5%上昇)、エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.3%(同0.3%)、前年同月比2.8%(同2.8%)。高インフレを連想させる内容となったが、ここ最近の強気の米経済指標である程度織り込み済みと評価された。一方、イスラエルによるガザ地区への空爆が激化しており、ラファへの地上侵攻が現実味を帯びているとの観測から、週末要因のリスク警戒のヘッジで買われ、NY金期近6月限は一時2364.4ドルまで急伸。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退する中、高値では利益確定売りも台頭。4月30日、5月1日には米連邦公開市場委員会(FOMC)も予定されており、目先は米長期金利の動向もより注目されるとみられる。
NY銀は反発。期近7月限の清算値は前日比0.125ドル高(同0.027ドル高)の27.660ドル。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)


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