デイリーコモディティ市況コメント

四半期末を前にした思惑買いにNY金は急伸

28日のNY金は急伸。取引中心限月である期近6月限の清算値は前日比25.7ドル高の2238.4ドル。
この日発表された米経済指標は軒並み強い内容だった。2023年10-12月期の米国内総生産(GDP)確報値は前期比3.4%上昇(改定値は同3.2%上昇)で上方修正された。ちなみに、事前予想は同3.2%上昇だった。同じ時間に発表された米新規失業保険申請件数は21万件で、事前予想の21.2万件を小幅ながら下回った。その後発表された3月のミシガン大消費者景況感指数(確報値)は79.4で、事前予想の76.5を大きく上回り、2年8か月振りの高い水準となった。
このため、米連邦準備制度理事会(FRB)による6月の利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇。
また、前日、米FRBのウォラー理事が強気の1月と2月の米消費者物価指数(CPI)などを踏まえて、利下げを急ぐ必要はないと言及。これも心理面の売り材料となっていた。
しかしながら、依然として米FRBの6月利下げ開始に対する期待は根強く、その6月を含む第2四半期を前にした思惑買いが期末を前にして台頭し、結果的に急伸につながった模様。
NY金期近6月限は清算値決定後に一段と急伸し、2256.9ドルの高値を付け、2254.8ドルで3月の取引を終えた。高値更新はいうまでもないが、第2四半期に対する期待の表れが引けにかけての急伸をもたらしたとみられる。
29日には米FRBがインフレ指標として重要視する2月の米個人消費支出(PCE)が発表される。事前予想は米PCEは前月比0.5%上昇、米PCEデフレーターは前年比2.5%上昇、米PCEコアデフレーターは前月比0.3%上昇、前年比2.8%上昇。欧米市場が29日、全休のため、日本市場の金相場が先取りすることになる。
NY銀は続伸。期近5月限の清算値は前日比0.164ドル高の24.916ドル。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)


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