デイリーコモディティ市況コメント

弱気なIEA月報を嫌気して、WTI原油は反落

08:23:51

11日のWTI原油は反落。取引中心限月である期近1月限の清算値は前日比0.86ドル安の57.60ドル。
国際エネルギー機関(IEA)が明らかにした月報で、2026年の供給過剰を日量384万バレルとし、前月の月報で示した日量409万バレルから下方修正している。2026年の世界の石油供給の伸びを前月予想から2万バレル減少し、日量240万バレルとしている。一方、需要の伸びは日量86万バレル。
弱気な内容を警戒して、IEA月報の発表を前にして、WTI原油は値崩れをみせ、期近1月限で57.50ドルまで下押ししていた。しかし、前回の内容を修正するなど、弱気な内容がややトーンダウンしたこともあり、下げ一服の展開をみせた。それでも、2026年の大幅な供給過剰に変わりなく、米国取引時間帯に再び売り込まれ、一時57.01ドルまで値を沈めた。
57ドル台を維持したこともあり、その後は安値拾いの買いに下げ幅を縮小している。NY株価の強調地合いもあり、引けにかけて58ドルを意識する水準まで切り返している。
トランプ米政権は、ベネズエラ産を積んだタンカーをさらに拿捕する可能性も指摘されており、戻り局面での支援材料となっていた。
この日、OPEC月報も明らかにされたが、軒並み据え置きされていた。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)

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