デイリーコモディティ市況コメント

NY金は反発も、米FOMC声明後に値を崩す

08:03:02

16日のNY金は反発。取引中心限月である期近12月限の清算値は前日比54.7ドル高の4387.5ドル。
海外原油の反落を受け、インフレ圧力の後退観測と米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にしたポジション調整の買い戻しの中、NY金は上伸することとなった。
注目の米FOMCは、政策金利を現行目標水準を0.25%引き上げ、3.75%から4.00%にすることを決定した。米連邦準備制度理事会(FRB)は、2023年以来初めて、全会一致で0.25%の利上げを決定。声明では、インフレ率は依然として高水準にあると言及している。ドットチャートにおいて、FOMC予測中央値は、今年0.25%の利上げをもう一度実施することも明らかにしている。18名のうち、16名の理事が年内少なくとも1回の追加利上げを予想し、うち4名が年内あと2回となる0.50%の利上げを予想している。年内の政策金利は今後、据え置かれると予想したのは2名にとどまった。
米FOMC声明の発表を前にして、利上げ観測をある程度織り込んだとの市場ムードもあり、NY金期近12月限は4400ドル台回復をみせた。米FOMC声明発表直前にも4400ドル台に戻したものの、利上げが示されると、逆に下押しを強いられ、4355.2ドルの安値示現まで値を崩した。4380ドル台まで戻すものの、また売り込まれるなど、上値の重い展開を演じた。
ウォーシュ米FRB議長の記者会見が始まると、NY金期近12月限は4350ドルを割り込み、マイナス圏に突入している。同議長は、FOMCは物価の安定を実現するとし、金融環境は引き締め的であるといい難いとも言及。インフレ率は高過ぎ、3%を超えて上昇しているインフレ項目が多すぎるとも指摘した。一段のドル高が進行した結果、NY金のさらなる値崩れにつながった模様。
期近12月限は4300ドル割れを果たしたあと、4350ドル台まで急ピッチの戻りをみせたが、この戻りはまた売り場を提供し、改めて4300ドルを試すことに。4300ドルを割り込むと、ストップロスの売りがヒットして、4273.3ドルまで一時急落したが、引けにかけて買い戻しに4300ドル台を回復。期近12月限は30.3ドル安の4302.5ドルで取引を終了している。
海外原油が値崩れしたものの、原油の先高期待は根強く、インフレ警戒から、しばらくNY金の戻りは売り場提供との見方が支配的。
市場では中央銀行の買いよりも、インフレ圧力を警戒している。
NY銀は反発。取引中心限月である期近12月限の清算値は前日比1.063ドル高の64.919ドル。米FOMC声明後のNY金の値崩れに銀も追随し、マイナス圏まで下落。期近12月限は0.436ドル安の63.420ドルで取引を終了している。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)

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