デイリーコモディティ市況コメント

WTI原油は大幅続落、米国での石油需要後退懸念高まる

07:10:30

17日のWTI原油は大幅続落。取引中心限月である期近6月限の清算値は前日比2.68ドル安の82.15ドル。
前日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長とジェファーソン副議長が、いずれも利下げの先延ばしを言及したことで、高インフレ継続の中、米国での石油需要の後退が懸念され、引き続き、圧迫要因となっていた。
米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計で、原油在庫は273.5万バレル増、ガソリン在庫は115.4万バレル減、中間留分在庫は276.0万バレル減。石油全体の在庫は減少しているものの、注目のガソリン需要は2週連続で後退しており、在庫統計は支援材料になり切れず。
市場の関心はなお中東情勢に集まっているが、イスラエルの反撃に自制を求める欧米の声が一段と高まっており、実際に反撃することになっても、極めて限定的になるとみる向きが多い。一部では、15日あるいは16日にイスラエルは反撃する予定だったが、見送られたとの情報も流れている。
WTI原油期近6月限は、チャート上で大陰線を形成しており、チャートの悪化から一段安も警戒される。一代足でみると、3月27日の安値である79.99ドルが目先の下値メド。30日移動平均線の81.90ドルを割り込むと、ストップロスの売りがヒットする可能性もある。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)


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