デイリーコモディティ市況コメント

WTI原油は清算値ベースで小幅続落も、引けにかけてプラス圏を回復

27日のWTI原油は小幅続落。取引中心限月である期近5月限の清算値は前日比0.27ドル安の81.35ドル。
前日発表された米石油協会(API)の週間石油在庫統計で、原油在庫は933.7万バレルの大幅増加となった。このため、本日発表される米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計でも、弱気な内容が示されるとの警戒もあり、欧州取引時間帯にかけて軟調な地合いを強いられ、一時80.55ドルの安値を付けた。
米EIAの在庫統計で、原油在庫は316.5万バレル増、ガソリン在庫は129.9万バレル増、中間留分在庫は118.5万バレル減となった。原油在庫は事前予想の減少に反して増加したものの、米APIの増加幅を大きく下回ったこともあり、市場の反応はイマイチ。発表後のWTI原油は買い戻しが先行し、下げ幅を縮小することに。
注目のガソリン需要は前週に続いて後退していたこともあり、NYガソリンは期近限月中心に続落。ただ、製油所稼働率が向上したこともあり、WTI原油の下げは小幅にとどまった。
清算値決定後、NYダウが上伸したこともあり、WTI原油はそれに追随して81.70ドル台まで買い進まれるなど、プラス圏を回復している。
ロシアの石油関連施設へのウクライナによるドローン攻撃も依然として警戒されており、29日からの3連休を前にして売りにくい状況でもある。
(MOGマーケッツ 齋藤和彦)


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