ＷＴＩ原油は高安マチマチ
07:37:28
１６日のＷＴＩ原油は高安マチマチ。取引中心限月である期近６月限の清算値は前日比０．０３ドル安の８４．８３ドル。期近２限月は小幅安ながら、その他限月が小しっかり。
イスラエルの戦時内閣は１６日、イランに対して明確な反撃を打ち出した。ただ、中東全域に戦火が拡大することを欧米各国が懸念しており、攻撃があっても極めて限定的とみられ、中東の石油供給に与える影響はあまりないとの見方が一般的である。
米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のジェファーソン副議長は、高インフレ鈍化を示す米経済指標が相次いでいることから、利下げ開始の先延ばしに言及した。これを受け、米国でのエネルギー価格の高止まりによるエネルギー需要の後退が想定され、ＷＴＩ原油期近６月限は８４．２２ドルまで下押しし、下げ幅を拡大した。パウエル米ＦＲＢ議長も利下げ開始の先延ばしをその後、言及している。
ＷＴＩ原油の値崩れ局面の後、イエレン米財務長官がイランに対して、米国とその同盟国の間で経済制裁で協力する準備ができていることを指摘。この制裁が、イランの原油輸出削減に及ぶ可能性もあるとの観測が高まり、ＷＴＩ原油期近６月限は８５ドル台を回復する場面もみせた。
日本時間１７日朝５時半に米石油協会（ＡＰＩ）が発表した週間石油在庫統計で、原油在庫は４０９万バレル増、ガソリン在庫は２５１万バレル減、中間留分在庫は４２．７万バレル減。強弱材料が交錯した内容だったこともあり、市場の反応はイマイチ。
イスラエルの反撃とイランに対する制裁の行方が目先のポイントとなる。
（ＭＯＧマーケッツ 齋藤和彦）
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